壮絶にネタバレをしながらこのブログを書いてしまうと思いますので、できる限り目を細めてみてください。
まず、この、大きな「ばかうけ」横向きにも対応しています。
そんなことはどうでもよく、僕はこの映画が大好きです。好きな種類の映画です。
「ファーストコンタクトもの」というくくりになるこの映画なんですが、
大体のみなさまご存知の通り、宇宙から大きな船が地球にやってきます。
よくあるパターンの始まり方かもしれないですね、12もの大きなばかうけが世界各地に現れます。
日本にもやってきます。北海道は函館市に。
果たして彼らの目的は一体なんなのか?といったストーリー。
原作者のテッド・チャンさんが中国系アメリカ人ということで、
彼ら(宇宙人)の描く言語が、墨で書かれたようなものになってます。
一つの円環の文字が文章の意味を示している。というもの。
この映画の核心に触れている以上、時系列を追って、もしくは理解できる並び方で文章がかけるとは思えません。
悪しからず。
僕たちは、他者を理解し、協力しなくちゃいけない。
そして、過去にもずっと絡め取られつつ、しかし、いつまでも夢見つつ生きることができる。
そういう映画なんです。
主人公の言語学者、ルイーズを演じるエイミー・アダムス。
数学者イアンを演じるジェレミー・レナー。
そして、ルイーズの娘を演じるジュリア・スカーレット・ダン(超かわいい!)
ルイーズとイアンが宇宙人(ヘプタポッド)がこの星にやってきた目的を調べる。というのがストーリーの軸。
でも、申し訳ないのだが、そんなことはどうでもいいんである。
もううまく言えないから謝っておくけど、
好きになってしまった人との思い出を振り返る時、それはもうヘプタポッドやスローターハウス5のトラルファマドール星人に、
僕らは既になっているんである。虜になっていたり、とらわれていたり。
その思い出の中では、もう既に去って行ってしまった人だって笑顔でいたり、
死んでしまった人だって元気にしている。記憶を持った人間とは、時間をまたぎ存在することのできる宇宙人と同じなんである。
これは、難しいぞ、このブログは。
サピア=ウォーフの仮説(言語が思考に影響を与えるというもの)
他言語を学ぼうとすれば、それにつれて、考え方もその言語を使うものに寄っていくという意味にもなるのかな。
つまり、言語学者のルイーズが宇宙人ヘプタポッドの言語を学ぼうとするにつれて、
少しずつ彼らの性質、つまり「過去も未来も超越し、全時間帯に同時に存在することができる」という性質に近づいていく。
ルイスは少しづつ未来を思い出す事ができるようになり、その思い出した未来の過去により道を拓く。
いわゆるタイムパラドックスである。過去に戻り親を殺す事はできない。
今回ルイーズは、その逆、親として、子を産む事を、選択するか否かを決める。
詳しくは描かれていないが、彼女の娘は若くして、彼女よりも早くこの世を去る。
3000年という彼女からすると到底想像もつかない未来を救う事のできた彼女だが、
娘の死を避ける事はできない。
タイムパラドックスの理屈からすると、「選ばない」という選択は「できない」はずなんであるが、
彼女は「選ぶ」。自身の意思で、未来を選び取ったんだと思うんです。
僕が、何を選び取るのか。
現実の世界は、未来にしか進まない。
ま、未来がわかってるんなら、中国の将軍があんな事になる前になんとかできたじゃん、
アボット、コステロ、漫才師みたいな名前しやがって。
でも、時空を超えてつながってくるお話っていうのは僕はとっても大好きで、
「星の声」とか「インターステラー」とか、宇宙の不思議が奇跡的にちっぽけな夢を叶えてくれるの。
思いが時空を超えていくようなお話が好きなので、延々と見ていられるモラトリアムです。
時間は止まってくれないのもわかっているくせに。
「TOO YOUNG TOO DIE 若くして死ぬ」も、僕にはその類の映画だと思っていますよ。
アインシュタインと核エネルギーが絡むお話だってそうだ。
ブラックホールに飲み込まれる瞬間に、観測者から見れば限りなく止まって見える事象だったり、
原子爆弾のエネルギーに触れた瞬間の人は、同じ理由で、実はまだそこに限りなく止まっているんではないかという空想だったり。
そういうものを好きだとは大きな声で言えるものではないけれども、消えてしまわないもの、
いなくなってしまわない物事、そういうものを思っていたい、という気持ちになるのです。
僕らの未来もノンゼロサムゲームであって欲しい。
一部の人間だけが勝利を掴むような、排他的で、利己的な世界でなければいい。
一度映画を見られた方は、こちらのリンクから。「On the Nature of Daylight」
2003年に起こったイラク戦争に対し、反戦デモが世界各国で行われた後にレコーディングされた。
マックスリヒターがこの楽曲に込めた意味もこの映画のテーマに沿っている。反戦。
しかし、本当、うまくまとまらないな。
ともかくも、知ってしまった未来を選ぶのかい?どうするんだい?って問いに。
もし、僕がまた生まれ変われるとして、同じ人を好きになるのだろうか?って問いに。
そして、遠い多次元宇宙から、地球を救おうとする人の話。
僕がこの「メッセージ」を見て最初にふ、っと思い出した映画。
「インターステラー」と「エターナルサンシャイン」
インターステラー エターナルサンシャイン