カンヌのお話を僕なりにまとめてみました。
まずは、簡潔にご報告をいたしますと。僕が出演させていただいた映画が、
あの「カンヌ国際映画祭」にて上映されます。ベルリン、ベネチアとならぶ世界三大映画祭のうちの一つです。
先に言ってしまいますと、白井は、アトランタにて開催された「Filmapalooza」というコンペにて
「最優秀主演男優賞」をいただきました!上記大会で日本人が部門賞を撮るのは極めて異例だそうで、
快挙!と言っていい出来事だそうです。
そして、チーム DESIREの作品「ウェルテル無頼」がカンヌ国際映画祭短編映画部門にて上映される事になりました。
そしてこれまでの経緯を少しだけ説明しますね。
「Filmapalooza」に作品を持っていくためには「48HourFilmProject」という過酷なコンペを勝ち抜く必要があったのです。
「48HFP」とは、2001年以来世界各地の都市で開催されている最も過酷な映画コンペと言われています。
いっせーのーせ!ってお題が発表されます。そして、編集された映画を納品するまで48時間。
お題もらう→台本書く→ロケ地を決める→小道具を集める→俳優の演技プランを固める→
撮影→編集(特殊効果とか、音が入ったりとか、いろんなことがここにぎゅっと詰まります)→納品!
お題には、映画のジャンル(僕らはミュージカルかウェスタン)、小道具(ホウキ)、セリフ(まだたりない?)
そういうものがあって、一睡もせず作品を作る監督もいると聞きます。
2014年度は五大陸120都市で開催、6万人近い参加者によって4千もの映画が作られました。
2015年には世界約130の都市で開催され、日本では大阪で開催されました。
各都市のコンペティションでは、最優秀作品“Best of City Film”が選ばれ、その都市の代表として世界各都市の代表と競います。
そして、その中から選出された10作品は、カンヌ映画祭短編映画部門で上映されます。
つまるところ、超狭き門をくぐり抜けて、カンヌ映画祭での上映権を獲得した事になります。
これまでの経緯を客観的にへりくだらずに、いわゆる事実を書いてみました。
僕が賞を取れたのはタナボタです。この作品がカンヌに行けたのはミラクルです。
しかしながら、僕のことはさておき、この作品が賞をとったミラクルには根拠があったんだと思います。
ここからはいつもの白井に戻りますけれども、みなさんのおかげなんですよ。
僕たちのチームは、なんの素材も用意していませんでした。
本当に、48時間で、作品を作ったんです。
(映画の世界では僕は門外漢なので、失礼を承知で言いますけれども、)
あの二日間で、天候が土砂降りだったりカラッ晴れだったり、そんなシーンがあったんなら、それはずるっこだったんです。
与えられたものだけでやろうというのが、きっと僕らのチームの本意だったんだと思います。
ま、僕はイチ役者として関わらせていただいただけなので、首脳幹部の思惑とは外れているかもしれませんが、
正々堂々とぶつかっていったわけなんだという事を胸はって言いたいんです。
だから、僕みたいなもんがこんな賞もらえないですよなんて言わない。もらう。ありがとう!
さて、ここで、ピカソの逸話。
ピカソさんがなんだか、頼まれて10秒くらいの落書きめいたイラストをサラサラって描いて「はい100万円!」
や、万円、じゃないですけれど、そういう事を言ったか言わないかそんなストーリーがあって。
俺は確かに10秒でこれ描いたけどさ、それまでに50年やってんだよ。
50年と10秒だ、100まんえんだろ?って話なんですね。
それを思うと、僕らの48時間は忍ジャガーの1年と48時間ということだったんです。
監督や撮影監督たちのそれはもっと長いかもしれませんけれども。
とくかく、用意したのは素材じゃなくって信頼関係だったということさ。
だから、僕は、賞に対しては、へりくだらないことにします。胸張ってなかったらしかってください。
(胸張りすぎててもしかってくださいね)
ブラボーなのは、「僕」じゃなくって「僕たち」なんだということですよ。
「ウェルテル無頼」のスタッフロールに名前のあるすべてのクリエイターに、多幸あれ!です。
ここじゃ言えない裏話もたくさんありまして、まぁ、僕が当日必死で歯磨きをしたこと以外は黙っておきます。
白井のブリーフ姿が世界で評されたということは一つの事実として受け止めます。
僕の名前が彫られた盾も、近々受け取ることができると聞きました。
なんとかして、本年5月に行われるカンヌ国際映画祭には行ってやろうと思っています。
そうはいっても来年には来年の「最優秀主演男優賞」の人が現れます。
2年前には一人芝居のトライアルで見事一位を獲得しましたが、今年は今年で一位がいます。
とにかく、前に前に進まなくっちゃいけません。たまに立ち止まって見てもいいですけれど、
それでも、明日にゃ明日の風が吹くわけですから。
まずはここまで来たことを素直に喜んで。ここから先のこと、いろいろ考えないといけません。
燃料サーチャージとか。パスポートとか。僕、海外行ったことないんですよね。
ソーライス、バターライスの生活を始めなくっちゃいけませんな。
5月ってのぁ、ステージタイガーの公演の割と直前だしなぁ。
むしろここから、僕は皆様の応援やお助けや、アドバイスをいただきたいと思う時期に突入します。
まずは、これからよろしくお願いしますとともに、
こんごも、ずうぅっと長いことよろしくおねがいいたします!
SEKAI NO SHIRAI こと 白井宏幸
- 2016.03.11 Friday
- FESTIVAL DE CANNES
- 02:20
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- by 白井宏幸