ライト/オフ
昼に1回、夜に1回。他の日に何回か。
怖い怖いと情報ばかりが飛び交っていましたので、勇気を持って見てみました。
良い映画でした。怖すぎる事のない。でも、しっかりとした映画。
きちんと美味しいお店の担々麺みたいな感じ。唐辛子ばっかり入れてとにかく辛くするお店ではなくって、
きちんと理屈の通ったからさがあるという感じの担々麺。
もう、僕はこの例え方を止める事はないと思う。
きっちりと理屈があって、音や明かりで驚かしすところが過剰でないなら良作。
この作品はそれにあたると思います。
そういう意味では「ヒメノアール」も「怒り」もちょこっとパンチが弱い。
そもそもそれらはホラーではないんですけどね。
もともとは短編映画で、それを長編にしたものなんですが、元になった短編映画がこちら。
きちんとルールを守っている。というのが僕は好きですね。
ご都合主義かもしれませんけれども、主人公たちの実家にたまたまブラックライトがあってよかった。
さて、このお話は「明るいところでは見えないお化け」に襲われる姉弟の話です。
まぁ、もろもろ理由があってお化けも襲ってくるんですけれど、土着ではなく家族系お化けなんです。
死霊館とかシャイニングみたいに(シャイニングはもともと狂ってたけど)、場所にある呪いだとか、
その場所に留まっているお化けなんですよね。
で、映画のお化けって実態がない雰囲気を装っておきながら物理アタックが得意な奴が多くって、
今回のお化けちゃんも、そっちに分類されます。暗闇では大ハッスルやりたい放題お化け。
暗闇では実体があって、引っ掻いたり、刺したりできるんだけど、光を浴びると消えちゃう。
(本当は、暗いところで見えるようになる、んだけど、そのニュアンスを追求するとおかしなことになる)
ちょっと可愛いところがたくさんあって「おれの邪魔するな」って首しめ持ち上げを繰り出すんだけど、
扉が開いて外光が入ったり、車のヘッドライトに照らされて、ふわっと消失してしまうところ。
可愛らしくないですか?
あと、この子についての可愛いポイントが二つあって、どちらから言えばいいのか。
一つ。話せばわかってもらえそう。一つ。多分徒歩で襲ってきてる。
一つめの、なんだか大変なことになって辛いトラウマがあって。
前夫とお母さんの間に生まれたのが姉のレベッカで、
後の夫とお母さんの間に生まれたのが弟のマーティン、
暗闇お化けのダイアナはレベッカの姉妹(どっちだったかな)ということなんですよね。
で、お母さんの頭を操って「友達」として存在している。
お母さんが元気な時には出てこられずに、元気が無くなった時には自由にやんちゃできる。
もう、思春期の少年のそれですね、程度の違いはあれども。
それを思うと、ひねくれて手がつけられなくなった体だけ大きい人間の方が怖い。
ダイアナも辛かったんだし、見た目は、ホラ、あれだけど。
ソファーの背もたれのところにヤンキー座りをする癖だけなくせば、初対面の人にも印象度は上がると思うの。
お互い思うところはあるとは思うけど、いきなりひっかいちゃうのだけ、なくせば、ね。
二つめ。お母さんが住んでる家と、レベッカが住んでる家は車で移動しなくちゃな距離。
マーティンを匿っているということで、きっと追いかけてきたんだろう。
どうしてその場所がわかったのかなんてのは、一応ホラ、血のつながりでいいとして。
後半のバトルを見るに、ダイアナちゃんは実体ありタイプのおばけなので、
移動は自力。夜でも明るい都会に住んでるレベッカのところまで、交通機関では移動できないはずなので、
多分徒歩なんだ。そんで、「ここも危ないわ」って思ったレベッカは慌てて実家に車で移動したりするから、
ダイアナ行ったりきたり。かわいらしい。
本質的なこと言うと、血のつながりがなかった姉と弟が、きちんと姉弟になる。
っていうストーリーだと思うのね。家族愛。
家族愛が含まれる映画っていうのは僕は割と好きなので、「仄暗い水の底から」とか「リング」とか。
ストーリー性があるんだったら家族ものがいいなと思います。
なんだかわかんなけど襲ってくるからやっつける、っていうなら、もう理由はなくっていい。
あ、でも、志村けんのスイカ人間は、アリ。カトちゃんが襲われそうになって、エビ天こかして、
そこでスイカ人間が逃げてったシーンの「志村がきたのか?」っていう友情を感じる台詞が大好きでしたよ。
ちょこっと最近はホラー成分を補給したいので。
どこまでも、一途(いちず)に追いかけてくる一途(いっと)フォローズ
話しても、考えてもいけない「け」ではなく「It.(それ)」
もう、ホラーってギャグに隣接してる。そんな気がしてきたよ。
イットフォローズ バイバイマン
- 2017.01.25 Wednesday
- 映画
- 03:07
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- by 白井宏幸